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旅立ちの朝
春の息吹が村を静かに包み込む中、
私たちは新たな章の開始を迎えていた。
躍動する命の中で目覚めた私たちは、
期待とわくわくする気持ちを胸に、
旅立ちの準備を整えていた。
村を離れる朝、
私たちは身の回りのものをまとめ、
一つ一つの荷物にこれまでの感謝と
思い出を詰め込んだ。
ハルは、彼の工房で丹念に作り上げた
木のハンマーを手に取り、しみじみと
「このハンマーが多くの人々に
幸せをもたらしますように」
と願いを込めた。
私もまた、
古い革のカバンに教材と本を詰め込み、
子どもたちの輝く目を思い出しながら、
新しい出会いへの希望を胸にした。
詰める荷物一つ一つが、
これから広げようとしている
私たちの世界への扉のように感じられた。
村の人々が私たちの旅立ちを祝って、
朝早くから集まり始めた。
のどかな農場から、静かな湖畔、
そして遠くの山々からも、
私たちを慕って様々な贈り物が
届けられた。
果実のジャム、織物、彫刻された小物など、
それぞれが村の暖かい心を象徴するものだった。
古老は私たちを前にして、
目を細めながら言葉をかけてくれた。
「お二人がこの村にもたらした愛と学び、
それは確かに実を結んでおる。
その善行を他の地でも広め、
新たな絆を結ぶのじゃ。だが忘れるな、
お前たちの根はこの村にある。
いつでも帰ってきておくれ。」
感極まっている村人たちからの暖かい言葉に
胸を満たされながらも、私たちは一歩を踏み出した。
重い荷車を引きながら、
新しい地を目指してゆっくりと歩き出す。
見送る人々の激励と笑顔が後押しをしてくれた。
旅立ちの日は晴れ渡り、
空は広がる希望の象徴のように
青く澄んでいた。
心地よい風に乗って、
未知なる地へと私たちは向かった。
新しい挑戦に向けて
私たちが一歩を踏み出す。
私たちの旅は、知識と芸術を広げ、
愛と絆を深めるための旅である。
確固たる根を持ちながら、
私たちは大地を踏みしめ新しい冒険へ
と進んでいく。
そして、どこにいても、
私たちは永遠につながっていることを
知っているのだった。
